2020/5/20 製品紹介② 試作ブラケット

今回紹介するのは、ブラケットの試作品です。サイズは、80×50×60程度です。

試作ブラケット 1 試作ブラケット 2 試作ブラケット 3

 

 

 

 

こちらを製作するにあたってポイントとなるのは、溶接後にマシニングによる機械加工が必要になるような公差が要求されているという点と、段差のある箇所が多く、削る回数が多くなってしまう点です。

一点ずつ説明しますと、まず、機械加工が必要となるような1/100mm単位の寸法公差は、基本的には溶接では収めることが出来ません。熱によるひずみや、溶接中の部品のわずかなずれで公差を外れてしまうからです。そのため、削りしろのある部品を溶接し、溶接後に機械加工で公差の範囲に収めることになります。この際の削りしろが小さ過ぎると、溶接時のひずみやずれで機械加工を行っても公差に収まらなくなる可能性があるため、注意が必要です。しかし一方で、機械加工の削りしろは大きくなるほど材料費が上がり、加工時間が伸びてしまうため、削りしろは小さいほど良いという面もあることが、難しい所です。

もう一点は、写真を見て頂いた方が分かりやすいと思います。一枚目の写真の上面と右側面には、除去加工がされていますが、どちらも平面ではなく段差があるため、一回では削れず、数回に分けて削っています。また、加工時にバイスで掴んだり、テーブルに置く面に関しては、その面自体に公差や除去加工の指示が無い場合でも、削らなければ他の面の加工が上手くいかない場合があります。このような事情から今回の試作品は、一見そこまで複雑な形状ではありませんが、想像以上の手間と時間がかかっています。

溶接後の機械加工には難しい部分が多く、弊社でも苦戦してしまうこともあるというのが実情です。しかし、今回のような試作品を製作し、判明した問題点を改善していくことで、弊社の技術は着実に進歩しています。そして技術の進歩を高品質化と低価格化に繋げ、お客様にご満足頂けるように、川地鉄工は努力を続けて参ります。

それでは、今回はこの辺りで失礼します。営業担当、井上でした。

 

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